大阪プロレス 09.22:大阪 ミナミ ムーブ・オン・アリーナ

11月22・23の連休に大阪に遊びに行きました。

で、せっかく大阪まで行くのですから、その日程に大阪で行われる興行に行ってみることにしました。

23日の夕方から大阪府立ドラゴンゲートの興行があったのですが、それを観ると終電が間に合いそうもなかったので断念。

他には週末に必ず大阪プロレスが興行を打っていた記憶があったので、調べてみると22日午後1時からシッカリとやっており、こちらを観戦してみることにしました。

大阪プロレスは積極的に地方まわりもしていた(出来ていた)頃に一度観戦したことがあり、それはブログになる前の「ぷろれす魂」のコーナーでレポートしています。

その頃よりも大分規模が縮小し、毎週末地元(本拠地)で行いっている興行なので、学生プロレスの延長、もしくは最近流行で静岡にも静岡プロレスがありますが、そんな地場プロレス的なものを想像して、正直期待はしておらず、余興程度の観戦づもりでいました。

もとちが予定の1本遅れの新幹線新大阪に着いたのは試合開始の22日午後1時…この時点で観戦前の大阪プロレスへの興味の程が伺える。

一緒に観戦すべく大阪駅で待ち合わせていた五條氏と落ち合い、そこから会場のある大阪ミナミムーヴ・オン・アリーナに移動して、会場に着いたのが第2試合が終わって第3試合から?だったかな。

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大阪ミナミムーヴ・オン・アリーナ会場

ミドル級の選手主体の団体なのでか、リングちょっと小さいよね?

さて、もとちはそれまで大阪プロレスはまるでチェックしてなかったので、選手の格づけや序列・入れ替わりやそれまでの経緯を良く知らない。

で、今は誰がメイン格なの?

ビリーケン・キッド?は…知ってるけど…

え?タイガー「ス」・マスク!?

あのヒョロ長で弱々しかったタイガース・マスクがメイン格…

想像がつかん。

以下、今回の観戦レポはざっと行きます。

第3試合セミファイナルは要所要所で魅せるシーンはあるものの、ある種想像していたおちゃらけ試合。

えべっさん(菊タロー)が抜けてフリーになったので、現在の大阪プロレスでは別の人間がえべっさんのマスクを被っているが、そうなるとどうしても比べちゃうよね。

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他にはくいしんぼう仮面以外は初見。

歌舞伎キャラの松山勘十郎トペ・スイシーダが良かったくらいで、他は「試合内容的」にはどうというコトはなかった。

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まぁ現在の大阪プロレスでは抗争とか、storyとかそういうのを作って興行を進めて行く風じゃなさそうなので、単純に休日の家族連れを対象にした縁日興行といった感じ。

いつもだったら、これをメインまで通しでやるんじゃないかなぁ。

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あ、でも今回の興行ではもの凄く感じ入り、特筆すべき点が一つありまして。

それは試合を裁いていた多分大阪プロレス専属のレフェリー
(名前は吉野恵悟って人かな)

まだ若く、セミでは「お笑い芸人崩れのレフェリー」と選手にいぢられたりという笑わせられるシーンもありましたが、とても厳正で歯切れの良いレフェリングで、ダウンカウントや場外カウントなど、その場の状況を的確に判断して気持ちの良い裁きをして安心どころか、関心して試合を観ていました。

先日亡くなられたテッド・タナベさんのように、皆に愛されるような味わいのあるレフェリーになって欲しいです。

これからもこのレフェリーはちょっと注目してみよう。

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ここで興行の話に戻って。

大阪プロレスでは毎年、大阪プロレスナンバーワンを決める天王山トーナメントを開催しているらしく、これは大阪プロレスでの「激しい試合コーナー」ということになる。

今回のメインはこの天王山トーナメントの第一回戦のカード、ミラクルマンvsタイガースマスクが組まれていて、これがなかったら本当に余興観戦で終わっていたかも知れない。

ミラクルマンタイガースマスク、双方とも昔のイメージでは知っていたが、とくに大阪プロレスでメイン格になっていたタイガースマスクの肉付きと雰囲気の劇的な変化にまず驚いた。

そして試合…。

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え?…「U」…デスか?
(正確にはU系選手団体対抗戦プロレスルールリングに上がったような感じ)

構えとか「間」とか試合展開がナンかそんな感じ。
(くどいがそのものでなく、U系選手団体対抗戦プロレスルールリングに上がったような感じ)

構えて打って、間合い詰めて、倒して、脚とり~の、腕とり~のの、グランドうにょうにょな展開。

オジさんこんな展開の試合久しぶりに観たよ。

しかもソレをやってるのがあのヒョロ長の「貧弱な坊や」だったタイガース・マスク。

ミラクルマンもそれに付き合う形で、試合全体で2~3回の場外へのエスケープはあったものの、ロープワークはなし。

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まぁあくまでもプロレスルールでのUなカンジで、最後も卍→グランド卍→クラッチ固めて逃げられなくした変形グランド卍でギブアップタイガース・マスクが勝ちましたが、今では珍しい(懐かしい?)試合展開で面白くはありました。

最後にタイガース・マスクがマイクを取ってアピール。

喋った事を要約すると…

みちのくプロレスから派生して(←コレをエラク何回も言った…当時練習生とかそんなだったと思うが、思い入れあるのかな?)大阪プロレスが出来た頃はストロング(?)スタイルで戦える選手も多くいたが、そういった選手もひとり、またひとりと辞めて行き、時は流れて今の大阪プロレスはあの頃と変わってスッカリ腑抜けてぬるい団体になってしまった。

所属レスラー達はそれを新生大阪プロレスと詠って、状況に甘んじてしまっている。

時代の流れ(ファンのニーズ?)がそうさせたのだから仕方がないのかも知れないが、こんなのは本当の大阪プロレスじゃない。

今ここに昔の大阪プロレスの遺伝子(そんなんあるのか?)を受け継ぐのはオレしかいない。

だからオレが昔の大阪プロレスに戻してやる。

そしてオマエ達(客)に本当の大阪プロレスがどんなものなのか魅せてやる!

オレが新大阪プロレスなんだ!(オレがガンダムだ!)

と、いう内容を噛みながらにたどたどしく、まとまりなく仰っていました。

肉体改造とファイトスタイル改造は成功したものの、喋りはめっちゃヘタなまんまなんだなぁ…。

まぁぶっちゃけ「オレがガンダムだ!」だけ言っときゃ良い内容だな。

気持ちはわからなくもないけれど、激しいプロレスに付き合えるだけのメンツが残っていない(揃っていない)大阪プロレスタイガース・マスク「スタイル(興行)の改革」を唱えるのには厳しいものがあるなぁと思いつつ会場を後にしました。

総評。

3割4割程度楽しめる興行として期待してなかったのが幸いして、6割7割楽しめる試合が観れて得した感じ。

吉野レフェリーはホントに良かったし、メインは愉しめた。

タイガース・マスク口(マイク)下手さもある意味面白かったしで、観に来て良かったと思えたので、今回は上々ですね。

地方巡業でコレやられたら厳しいものはあるけれどね。

こんなかんじ。

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ドラゴンゲート 06.27:清水マリンビル

久々のドラゴンゲート興行。

清水マリンビルということで、今回はよもぎ氏と一緒に観戦。

ドラゲーは日本のプロレス団体の中では勢力情勢の展開、移り変わりが早い方で、半年もあけると随分と中身(内容)が様変わりするので、普段情報を追ってない自分は

「愉しめるかなぁ?」

と少々不安気味の観戦となりました。

ちなみにもとちは観戦の折には必ずパンプレットを購入します。

ドラゲーパンフレット大判で2000円と結構な値段ではありますが、その時期番波に乗っている選手(または売り出し中の選手)が表紙を飾り、現在までの興行の流れや各ユニットの状況、選手の動向などがパンプレット内容に盛り込まれているので、普段ドラゲーを観ない人にも団体概要注目選手等がスグわかるように出来ており、パンフレットの作りとして評価できます。

これに加え、普段パンフレットには当日の対戦カードも挿入されていますが、今回はコレが入っておらず、チョット残念。

が、まぁサプライズがあったんですけどね。
それはまた後でということで、以下に試合順に観戦レポを。

◆第1試合 タッグマッチ(20分1本勝負)

吉野正人
B×Bハルク

(ユニット:WORLD-1)

vs

ドラゴン・キッド
スペル・シーサー

ドラゴンゲートユニット抗争をひとつのウリとし、所属選手間でつねに3~4(または5)のユニットを構成できるだけの「駒」を揃えているのが団体としての強みであると感じる。

それ故第一試合からワリとゼータクなカードが組める訳で、これは観戦するファンからすれば有難いことでもあるし、団体としては人気選手をつねにヒートアップしがちで激しい闘いとなる後半戦にもって行かなければならないといった、経営的にみて苦しい状況にはならないので、全体に「ゆとり」が出来る。

言い方は悪いが、地方興行の第一・第二試合あたりで選手をローテーションで多少なり「休ませる」コトが出来て、その結果、興行が上手くまわって行くという風に良い循環になるんだと思う。

吉野はとにかく体脂肪が少ない見事な身体に目が行きますね。
地方興行でユニットの中でチョコマカ動く所しか観たことがないので、「凄み」を感じる吉野を是非一度観てみたいものだ。

ハルクは実力とポジション的に今は安定期といった所なのだろうか?
しばらくすればまたハルクがらみの抗争ってのも沸き上がるかも知れない。

キッドはやっぱりネックはタッパなんだろうなぁ。
色々な面ですでに「一巡」はしたと思うので、この先「もうひと華」ってのはないかも知れませんね。

シーサー…うん、決して凄いレスラーではなく、強烈に「地味」なマスクマンですが、ドラゲーにおいて特に前座のポジションとしてなくてはならない人ですね。
マスク姿でスッカリ定着しましたが、こういうマスクマンの存在の仕方ってのもまた面白いものですね。

B×Bハルクスペル・シーサーを無難にピン。

◆第2試合 オープン・ザ・お笑いゲート選手権(30分1本勝負

(王者)菊タロー(アブドーラ・ザ・菊チャー)

vs

(挑戦者)“ハリウッド” ストーカー市川

なんと大阪プロレス菊タローサプライズ参戦。

これには会場もどよめき!もとちもチョットわくわく。

しかも通常試合の予定だったものを、現在菊タローが保持しているオープン・ザ・お笑いゲートタイトルマッチ戦に急遽変更と言う嬉しい発表。

このオープン・ザ・お笑いゲートのタイトル戦は過去においても静岡で行われており、静岡では馴染みのタイトル戦と言っても過言ではない!(と、言うか是非静岡興行での一つのウリにして下さい!お願い致します!)

正直このタイトル戦が2度も見れるとは思わなかったよ…。

最初のはCIMAがここ静岡で市っちゃんからタイトル奪取した時、そして今回は菊タロー市っちゃん挑戦者として挑む戦い。

軽く説明をすると、このオープン・ザ・お笑いゲートは、試合の勝敗自体はまるで関係なく、

「どちらが面白かったか」

を試合後の観客の拍手で裁定、タイトルの移動がなされるというもの。

市っちゃんにとっては喉から手が出る程に欲しい至宝のベルトであるが、一時代の王者転落後は厳しい戦いが続いている。

さて、試合。

いつものウイリアムテル序曲の後に「おさかな天国」を挿入して市っちゃん登場。

お客さんの反応は「?」…いきなりスベってる。

対する菊タローブッチャーの入場テーマ曲(吹けよ風、呼べよ嵐ってヤツか)…マスクも茶色系の額に傷アブドラ・ザ・菊チャーのスタイルで入場。

この時点でウケはなかったものの、スベった市っちゃんに比べれば、ます前哨戦は菊タローの勝利といったところ。

試合開始。

市っちゃん「攻めのネタ」がまるでなく、受け身姿勢で精彩がない

対する菊タローは場外に出てリングサイドの四方でワザと女性客の方に倒れ込んでみたり、今回のキャラクターのブッチャーネタを満遍なく披露。
フォークのかわりにシャモジを使い、まるで別の箇所への攻撃(例えばお尻にしゃもじ浣腸)を受けたのに、額を押さえて悶絶するなどしてお客を楽しませる。

もう勝負は圧倒的。

試合そのものは菊タロー市っちゃんをこれまた「毒針」でピン。

試合後のお客さんの裁定も当然菊タローということでオープン・ザ・お笑いゲート3度目の防衛となる。

何となく菊タロー長期政権の予感。

試合後のマイクで一生懸命ドラゲーの営業活動をしている菊タロー。

他団体の選手なのに偉いなぁ。

この試合の市っちゃんはホント精彩なかったが、後の試合で「見せ場」をキッチリ作る。

◆第3試合 タッグマッチ(30分1本勝負)

サイバー・コング
神田裕之

(ユニット:リアル・ハザード)

vs

望月成晃
ドン・フジイ

いやもうね、ホントにドラゲーにおいての現状のモッチー藤井さんスタンス(立ち位置)は素晴らしいと思う。

もちろんこれはドラゲーが団体として、それぞれ適正な位置に選手を配置出来てる(それだけの駒がある)から出来るコトなんだけれど、やはりそれが当たり前に基本だと思うのですよ。

年齢やキャリア、実力…色々な面を考えて、その選手がいるべき場所(立ち位置)ってのは必ずあるハズで、今の日本のプロレスはそれがおかしな事になっていた。

プロレス界はこういう部分からもう一度組み直して行く必要はあるんじゃないかと。

「ありがとう」と言っている(思っている)だけじゃまた近いうちに「事故」が起きますって。

と、話がそれましたが、この試合は現在神田コングの入っているユニット「リアル・ハザード」メンバーが総出でセコンドに付く。

対するモッチー藤井さんのセコンドには先程試合を終えたばかりの菊タロー市っちゃんが付いた。

今回の興行で1・2を争う程に盛り上がった場面を作ったのは、この試合のセコンドに付いた市っちゃん。

セコンドに付いていた市っちゃんは、序盤場外乱闘が始まると引き気味になっていたのだが…

度重なるリアル・ハザードのメンバーの乱入によりピンチに陥ったモッチー藤井さんを見て奮起、終盤にはたまらずリングに躍り出て2人に加勢!

ほんの一瞬・一時だったが見事に会場に居たすべての観客の心を奪い取り、割れんばかりの歓声を浴びる。

しかしながらリアル・ハザードの「数」には勝てず、乱入とm.c.KZ.改めKzyブルーボックス両者リングアウト決着。

う~ん、どうしても年功序列的にアラケンが一応リアル・ハザードの長(リーダー)ってことになるのかな?

過去にモッチー不完全燃焼・両リン推進委員会を観てきていると、ヒールとしてのアラケンのアクション(MCや今回の両リンにしても)がもの凄く「型落ち(格落ち)」に見えて仕方ない。

リアル・ハザード入りしたばかりのKzyのお披露目的な意味もあったのだろうが、それにしても胸ときめく両リン(そんなんあるんか!)じゃなかったべえ。
(でも当時のモッチー不完全燃焼・両リン推進委員会は凄かったもの)

試合後、リング上で勝利に酔うリアル・ハザードの面々に、ナニを思ったのか「単身」市っちゃんが突っかかる!

当然ボコされて終わるけど…市っちゃんには久しぶり過ぎるナンかの伏線?

…ないよな^^;

あって欲しいけど。

場の雰囲気がたまたま市っちゃんを突き動かしたにせよ、珍しいものが観れたですね。

◆第4試合 シングルマッチ(30分1本勝負)

YAMATO

vs

アンソニー・W・森

今売れっ子のYAMATOのシングル戦で相手はアンソニー王子と、本来ならばナカナカの好カードになるべきものだが、マスカラ・コントラ・カベジェラで負けて髪をバッサリ切られてしまっているアンソニー王子は、現在どのユニットにも所属しておらず、ドラゲーでは浮いてしまって低迷している状態。

それがこの日の試合にもモロに出てしまい、本来ずっと後輩で格下であるべきYAMATO喰われまくりで遊ばれてしまっている。

今回の興行で一番の凡戦だった気がする。

YAMATOはサスガに今ノっているだけあって、

「また良い形で育った選手が一人出てきたなぁ」

って感じ。

もとち的にもこれからチョッと注目かなぁ。

あらゆる面で当然のYAMATOの勝利。

◆セミファイナル タッグマッチ(45分1本勝負)

土井成樹
谷嵜なおき

(ユニット:WORLD-1)

vs

鷹木信悟
岩佐拓

(ユニット:KAMIKAZE)

ユニット対決、岩佐君はケガで最近復帰したばかりらしい。

もとちはそれまで鷹木選手のことを気にとめてなかった(ファンはゴメン)のだが、この試合を観て鷹木選手チョッとスキになった。

試合中の谷嵜岩佐君エルボー合戦で打ち所が悪く、途端に復帰したばかりの岩佐君の動きがおかしくなった。

それでもリング上の「仕事」をまっとうする為に打たれ続ける岩佐君に対して、鷹木

「岩佐首気をつけろ首!」
「ムリするな!」
「付き合わないで(魅せ場作らなくて良いからとにかく)戻って来い!」

「一人でも十分だろ!(2人がかりで岩佐を攻める相手に対し^^;)」

などの「激」が盛んに飛ぶ。

それが本当に仲間に気を遣っての「激」だというのが伝わってくる。

一瞬に状況を見てとったほかの人の選手(と玉岡レフェリー)の対応も良く、上手い「流れ」を作ってスイッチして行く。

それに応える形で、岩佐君も調子が悪くなりながらもそれなりに「仕事」をこなし、最後は自ら熨斗紙で決めて谷嵜をピン。
(まぁお膳立てしてもらった部分もあるが)

退場時に鷹木リング四方に向かって一礼をしてから退場…ここでもとち鷹木「いつもそうしていた」ことを思い出す。
そんなコトしてるのはドラゲでは鷹木くらいで、ささいなコトだが妙に感じ入ってしまった。

イイヤツなんだなぁ鷹木。

◆メインイベント 8人タッグマッチ(60分1本勝負)

堀口元気
斎藤了
新井健一郎
Kzy

(ユニット:リアル・ハザード)

vs

CIMA
Gamma
横須賀享
KAGETORA

(ユニット:WARRIOS-5)

8人タッグがメインというのもまた珍しく、ドラゲ選手層の厚さが伺える。
もっとも、8人の方が一人ひとりの負担が軽くなって、ぶっちゃけ「ラク」になるのだろうから、地方のメインにはもって来いなんだろうけど。

メインという事で申し分ない面子で、安定感があるよね。

で、今回も注目の「いぶし銀」横須賀クンのアクション。

必ずナンかやってくれるんですよ、彼は!

特に試合の外(リングサイド)で!

今回は序盤のユニット総出の場外乱闘の時。

選手のサイン会場として用意された長机に放り出された横須賀クンはそのまま傍にあったサインペンでガツガツと殴られます。
(殴ってたの斉藤だったかなぁ?)

各所に散らばった選手達が次々とリングやリングサイドに戻る中、横須賀クンだけが長机にうずくまったままナカナカ戻りません。

心配した数人のファンが覗き込むと、なんと横須賀クン凶器に使われたサインペンとこれまた近くに落ちていたチラシ(紙切れ)を手に「書きもの」をしておられました。

そのチラシには

「いたい」

と一言書かれていたようで、父親に抱きかかえられながら様子を伺っていた女の子に手渡すとゆるゆると帰って行かれました。

試合の方はやはり新鋭のYAMATO以外のリアル・ハザードの面子がいま一つヒールとしての迫力(というか面白み?)に欠けるように思う。

堀口斉藤はメンバー(一員)としては無難に仕事をするが、それ以上にはなれないからなぁ。

Kzyが入ったばかりなので、Kzyのこれからの活躍如何によっては違ってくるかも知れないが…。

そんなこんなで、試合の流れを圧倒的に支配していたWARRIOS-5の方に軍配が上がる。

…そりゃそうだよな、CIMAGammaと来ればなぁ。

KAGETORAも頑張っていたけど、「頑張っていた」止まり。

横須賀クン須賀クンらしくマイペース。

さて、総評。

今回それほど突出した試合はなかったのですが、正直いつもの静岡興行より1割ほど(チョッピリ)良かったっす。

ドコがどうというコトではないのですが、終わった後に素直に陽気な気分になれたんで。

あ、そうそう、書いておくべき「良い事」を一点。

興行の休憩時間があるじゃないですか、そこを利用して来場していた家族連れを対象にした「キッズドラゴン」(だっけかな?)なる選手達と子供のふれあいイベントをリング上で開催していました。

これは素直に良い取り組みだと思います。

そんなところですかねー。

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映画「レスラー」を観て

先日、三沢選手が不慮の事故で亡くなり、ファンを含むプロレス界全体にさまざまな影響を与えています。

正直に書きますと、もとち自身は生前の三沢選手の熱狂的ファンという訳ではなかったのですが、それでも今回の事件には色々と考えさせられる部分が多く、今もプロレスに対する想いが頭から離れません。

今回の事故について思う事や、三沢選手への追悼はすでに他の複数のコンテンツ(場所)でしていて、あちらこちらで追悼、追悼とクドクドと書くのは個人的にはどうかとも思うので、このブログではここまでにします。

三沢光晴選手のご冥福を。

そしてこれからのプロレス界が一体どうなるのか、天で見守っていて下さい。

さて、今回は観戦レポートではなく、「レスラー」という映画を観て来ましたので、その感想を簡単に。

「ビヨンド・ザ・マット」というWWE所属・または過去に所属していた数人のレスラーをとり上げた、プロレスファンなら観た方も多いだろうドキュメント映画があります。

この「ビヨンド・ザ・マット」はレスラーのアンダーグランド部分を扱ったノンフィクションのドキュメント映画ですが、今回の「レスラー」という映画は大雑把に言えば「ビヨンド・ザ・マット」のフィクション版と言った所です。

実際「ビヨンド・ザ・マット」に影響を受けてシナリオを書かれていると思われる部分も見受けられます。

映画の内容(あらすじ)や個々のシーンについて、もとちはここではとり上げることはしません。

純粋に感想のみを以下に書きます。
(あくまでもとちの感想を素直に)

まずプロレスファンであれば一度は観るべき映画だと感じました。

その上で「良い映画か?」と言われればNO。

「感動するか?」と言われればNO。

「泣ける映画か?」と言われればそれも違う。

ミッキー・ロークの演じる主人公、ランディという一人の「プロレスラー」の「プロレスラー」としての「生き方」を描いているけれど、もとち自身はランディーの「プロレスラー」としての「生き方」と「選択」は「間違っている」と思うし、実在の「プロレスラー」達がこの「生き方」を「選択」してはいけないと思う。

また、現状こんな「生き方」をしている「プロレスラー」も少なくはない(多い)のかも知れないが、この先「プロレスラー」達がこんな「生き方」を「選択」しないですむプロレス界であってほしい。

確かに、レスラー本人はリングの上で戦って死ねれば本望なのかもしれない。

自分の「居場所」も自分を迎える「家族」も「そこ」にしかないのかもしれない。

「プロレスラー」としての「生き様」をリング上で魅せることで、それをファンの胸(心)に刻みつけ、伝説になったりカリスマにもなるのかもしれない。

…でも…そうであったとしてもだ。

…想像するのも恐ろしいが…。

「もし」いま現役の「プロレスラー」達すべてがこのランディーと同じ「生き方」の「選択」をした(またはしなければならない)としたら…。

だからファンはランディーの「生き方」と「選択」を否定しなければいけない。

「NO!」と言わなければならない。

もとちはそう思った。

つねに「死」と隣り合わせの危険な場所でファンを魅了するレスラーと、「死」を否定しつつも死闘に魅了されるファン。

「プロレス」とはそんな「矛盾」が渦巻いた不思議な空間。

とにかくいちプロレスファンとして色々と「考えさせられる」映画であった。

それは確かだ。

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NOAH 01.18:静岡ツインメッセ大会

久々の観戦。

今回はNOAHということで、実はNOAH興行を観るのは初めて。

ディファ有明で他の団体(闘龍門T2P)の興行は観た事あったけど…。

今年から地上波での放送が打ち切られてしまったNOAH、(もとち自身は正直それ程に思い入れのある団体ではないから、興行を見に来た事がなかったんだけれど…)が、この厳しい状況のなかで今後、NOAHがどのような方向に向かって行くのかに非常に興味があったため、今回の観戦となった。

それまでのTV観戦ではスポット参戦してくる海外の選手達がワリと好みな動きをしていたので、(やっぱり外国人レスラーびいきもとち)特にその辺りにも期待したい所。

NOAH興行全体で言えば、昨今の格闘技イベントハッスルまたはドラゴンゲート等のエンターテーメント性の強い団体のような興行(試合)開始前後の過剰なまでの装飾(仕込み)というのはなく、進行は良くも悪くも硬派で昔ながらの淡々としたもの。

ショップは全部お抱えで、飲み物までも会場に元々ある自販機を差し押さえての販売になるが、グッズもろもろ全般的にチョっと高め。

グッズに金はかけているんだろうし、台所事情もあるのだろうが、でもやっぱ高いぞ!普通に買うの躊躇するわ。

まぁ高いのは我慢するから、せめてHOTな飲み物くらい用意しろと…冬なんだから。

熱戦で会場がヒートアップするとも思えないし。

入場料も座席につけるのは5000円からと、こちらもチョイと高いが、試合数が8試合で、今まで自分が観に来ていた地方興行では、最高でも6試合(90年代当時のアルシオンなんかは4試合が常)だったので、これは素直に嬉しい。

そんなこんなで試合開始。

以下はカード毎に簡単に感想を。

◆第一試合:6人タッグマッチ(30分1本勝負)

百田光雄&菊池毅&本田多聞

vs

志賀賢太郎&川畑輝鎮&井上雅央

良く知らないが、NOAHの前座の定番カードじゃないかな?

前座として十分楽しめた試合で、井上百田さんをピンして終ったが、試合全体を通して一番年長百田さん一番元気に見えたのがどうかとも思う。

◆第二試合:タッグマッチ(30分1本勝負)

橋誠&力皇猛

vs

太田一平&佐野巧真

NOAHはあんまり追ってないんでアレだが、力皇随分と「格」が落ちたような…

TOPどころが放つ独特のオーラみたいなものを力皇からはあまり感じない。

今回のタッグマッチに関しては太田の絡みを観てくれってことなのかな?

力皇佐野の出番は控え目。

佐野は無難に仕事をするが、動きはそんなに良いとは思わない。

もとちはもともとJrクラス(ライトとか)の動きにキレのある試合が好みなので、ヘビー級で年齢の高い選手の多いNOAHの試合は結構モッサリ感じたりするせいもあるのだろうが。

太田を無難に下す。

◆第三試合:シングルマッチ(30分1本勝負)

杉浦貴

vs

ボビー・フィッシュ

外国人選手びいきなんで、こういうシングルマッチとくれば応援するのは当然ボビーなんだけれど、普通に杉浦勝つべく組まれたカードなんだよね、こういうのはさ。

正直プロレスの勝敗なんてのはどうでもいい(特に地方興行では)のだが、問題は試合の中身で、何ていうのかな「魅せる」って部分で日本人選手はやっぱり一つ足りない気がする。

黙々と試合するってゆ~か…

もちろん「魅せる」というのも色々あるワケで、黙々と試合をしても技の攻防で「魅せる」ことだって出来るのだが、

技の攻防で「魅せる」ってほど今のレスラーが上手いか?

って疑問もありましてね。

結局ナニが言いたいかっていうと、まぁ外国人選手を見るのは楽しいと。

こういうのもボビー間違ってでも勝っちゃった方が面白いんだけどなぁ。

◆第四試合:6人タッグマッチ(30分1本勝負)

鈴木鼓太郎&金丸義信&斉藤彰俊

vs

リッキー・マルビン&クラウディオ・カスタニョーリ&クリス・ヒーロー

もとちリッキー・マルビンは好きである。

今までの行きがかり上、ヒールっぽく振舞ってはいるが、やっぱり根はイイヒトなんだろう。

この試合では特に金丸に食ってかかり、終始相手の集中砲火を浴びるが、逆にそれはそれだけの選手だという証。

リッキー・マルビンのプロフ見ると、彼はまだ全然若いぢゃん!

これからが楽しみだなぁ。

リッキー・マルビンもアツくなっていたが、それ以上にアツくなっていたのがクリス・ヒーロー。

鈴木金丸らの挑発にアホかってほどに乗ってスグにリングに躍り出る!

陽気でお調子者の典型的なアメリカンなカンジだが、もとちこういうヤツは好きだ。

良く動くが、チョッとキマりきらない愛嬌さもGood!

クラウディオ・カスタニョーリは今回アツくなりすぎてる二人をなだめる役になって露出は少なめ。

元来ダッグ屋らしいんで、普段から良いサポート役なんじゃないかと印象を受けた。

日本人選手では斉藤彰俊の動きが一番プロレスラーらしかったのがナンかなぁ^^;

試合は金丸リッキー・マルビンをピンして無難に勝ちやがった!

…ちっ!

これもクリス・ヒーローあたりが間違えて勝っちゃえば面白いのに。

◆第五試合:タッグマッチ(30分1本勝負)

石森太二&KENTA

vs

伊藤旭彦&丸藤正道

今回のカード編成は互いのベテランが若手を引き連れて対戦というものが多い。

試合もやはりベテランの露出が控え目で、若手が前面に出てくる展開で、若手選手達に少しでも経験を積ませようという意図があるようにもとちは感じた。

この試合でもKENTA丸藤の露出は少なめで、石森伊藤のぶつかり合いがメイン。

KENTA丸藤に特別の思い入れもないので、もとちとしてもむしろその方が良い。

まぁでも石森伊藤…どっちもそんなに印象なかったな。

(後述するが、石森は違う意味で印象を…)

伊藤ヘロいマッドスプラッシュを使っておったが、ハンパなら使わないほうがいいな。
アレはCIMAみたいにヒザ削ってやるだけの自虐的覚悟ないとやっちゃイカン。

◆第六試合:タッグマッチ(30分1本勝負)

泉田純至&田上明

vs

キース・ウォーカー&ブキャナン

これは外国人選手に華もたせなカード。

いや、でもキース・ウォーカーはナマで観たかった選手の一人だ。

この日も暴れまくってキッチリお仕事してくれました。

いろいろ対応出来て良いレスラーだと思います。

今回は泉田キースと絶妙な絡み(と間)を魅せてくれて、個人的に大変楽しませて頂いたカードでした。

「フルネルソン外し」の掛け合いキース泉田フルネルソンを力で強引に外したのを受けて、今度は泉田キースフルネルソンをかけさせて外してみせようとする一連のパフォーマンス)は面白かったっスよ。

田上

「トシとっったなぁ」

とものすごく感じました。

もともとモッサリだった動きが更にモッサリ。

ナンか「廉価(程度の悪い)」馬場さん見てるみたい。

ともあれキース泉田の絡みが凄く良かった試合でした。

Tama001

↑当日のキース(右)とブキャナン(左)

◆セミファイナル:タッグマッチ(45分1本勝負)

青木篤志&秋山準

vs

平柳玄藩&高山善廣

やはりベテランが若手を引率するような試合。

特に高山の試合での動きなんかはホントに若手を「育ててる」ってカンジ。

もとち高山プロレスラーとしての「プロレスへの貢献度」を高く評価している。

低迷する今のプロレス界において、なくてはならない貴重な存在だと思っています。

さて、それを受けての若手、今回は平柳がパートナーだが、本来はヒールの一匹狼なのかな?

それ故今回は高山と組ませたのだろうけど、初めは素直に高山に従う素振りを見せて、勝てそうになる終盤に裏切るというある種お決まりのパターン。

そして最後も3人にヤラレて、これも定型だがキッチリこなせてたかな、うん。

印象には残ったんで、良かったんじゃないかと。

青木の方は…良く覚えてないや^^;

秋山はスッカリ格落ちした感があるなぁ。

仮に今GHCを持ったとしても説得力ないような気がする。

ま、もっともどの団体も

「誰をトップに添えて、それに誰をあてるるか」

って言う部分では駒不足ではあるんだろうけど。

◆メインイベント:6人タッグマッチ(60分1本勝負)

潮崎豪&小川良成&三沢光晴

vs

谷口周平&モハメドヨネ&森嶋猛

メインも若手に経験を積ませ、売り込むためのカード。

三沢社長とか小川の動きはもう良くはないんで、今更彼らの試合を見たいとは思わないのも偽りない事実であって、こういった若手の台頭を促すカード編成は正解だと思う。

それを受けて、この試合では集中攻撃をされて胸板を真っ赤に染めながら谷口頑張りが目立ち、観客も大いに沸いた。

でも悲しきかなもとち谷口よりは潮崎の方にセンスを感じたものの、それでもこの試合の谷口はホントに良く頑張ってメインの大役を十分に果たした。

ヨネもサポート中心だが良かった。

森嶋…ナンかドンドンとデカく(太って)ないか?

もとち的にはあまり好きなニクのつき方じゃないから、例えばそれで「強い」って言われても魅力はないなぁ。

どんな技やっても

「樽が転がって相手にぶつかっている」

ようにしか見えんのよね^^;

三沢社長小川…う~んやっぱ動きは良くないよな。

若手が伸びるまでもう少し頑張ってもらって…でもタイトル戦線にはもう上がって来なくてイイヨ。

潮崎良い育ち方をすれば伸びるような気はする。

何となくセンスを感じた…2~3年後どうなってるかなぁ?

試合は狙われた谷口がトコトン頑張って何度も返すものの、ついには力尽き潮崎ゴーフラーッシャーでピン。

●総評として●

何回か書いた通り、やはり次の世代を担う選手達の育成興行といった面が強いのかなと感じた。

ロートルのネームバリューだけでやっていくのには限界がある。

正直「衰え」は感じているはずだ、選手本人も試合を観ているファンも。

「未来のない」(故冬木選手もとちが印象に残っている生前のあるインタビューでの言葉)プロレスだからこそ、早いうちから若手の育成と売り込みをキッチリやらなければならないのだろう。

でも、やはりライヴで観ると面白さは3割増にはなりますね。

さて今回も…

●おまけ

全試合終了後、選手グッズ販売所に詰めて販売とファン交流を行う。

Tama002_2

外国人レスラーびいきもとちさんリッキー・マルビンのサインを貰おうとパンフレット片手に近づく。

「ペンは?」

リッキー・マルビンに言われてしまって、持ってなかったもとちは多少もたついたが、売り場の小銭入れにペンがシッカリ入っているのが見えたので、

「それでしてくれ」

と頼んで、任務完了…

と、思ったらナゼかリッキー・マルビンがサインを済ませると、左隣に居た石森選手何気にパンフとペンを強奪!

…いや、受け取ってスラスラとサインをしてこっちに返して来た…

握手付きで。

いや、頼んでないし…正直いらない…いや…

「ありがとう」

と、スマイルでガッチリ握手をして受け取るもとち。

Tama003_2

そんなワケでパンフにマルビン石森並んで二人のサイン。

石森選手…まぁ今後も注目してみるか。

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ドラゴンゲート 11.3:豊橋総合体育館

前回の興行レポで書いた通り、今回は静岡大会の休憩時間にイっちゃんから買ったチケット、11月3日の豊橋大会の興行レポです。

豊橋は実は若かりし頃にちょくちょく遊びに来ていた所だが、今回の会場である豊橋市総合体育館に行くのは初めて。

豊橋市総合体育館総合スポーツ公園と呼ばれる一帯の総合施設のうちの一つですが、豊橋駅からは結構距離がある豊橋港付近(埋立地?)にあり、ここを目的に訪れるマイカー以外は車通りも少ない上にバスも1時間に1~2本しか出ていないようで、今回の私のように地方からマイカー以外の方法で訪れるお客には最悪のアクセスポイントだったりします。

それ故に行きはまだ良いが帰りにとても苦労したのだか…。

ともあれ興行レポに行きましょう。

いつものようにドラゲー恒例の「前説」から。

今回ここでドラゲー専属リングアナウンサー菊池さんと一緒に登場したのは、Gammaドラゲー電撃復帰神田マッスルアウトローズ入りで追い出される形になった元悪玉レフェリー玉岡。

前回Gammaの抜けたマッスルアウトローズ「定型通りでつまらない」としたが、お客さんの反応を敏感に察知して、ダラダラと無駄に引きずり続けることなく、すぐさま新しい展開を用意するあたりは、この団体が闘龍門ジャパンの頃から優れている部分ではあるともとちは感じる。

で、今回の「前説」の時から感じたことだが、やはり「地方色」というのがあるのだろう…お客さんのリアクションや応援が静岡のソレとまた違う。

もとちは地元の他に東京・大阪・京都などの興行に何度か出向いたことがあるが、やはり雰囲気的なものやお客さんのリアクション・反応がそれぞれ微妙に違うんですよね。

今回の橋市総合体育館の場合は、自発的声援と拍手が少なめ。
「ノリが悪いのかな?」と思いきや、選手がコール要求やアピールをすると一転して大きな声援と拍手に転じるという一風変わった(もとち的に)雰囲気。

さらに現在のドラゲーではベビーとヒールの明確な区分けはないマッスルアウトローズヒールユニットですが)のですが、お客さんの中では完全にベビーとヒールのパーテーションが組まれており、声援する側とブーイングする側が徹底して分かれているという部分でとても面白いなと一人で納得していました。

◆第一試合(6人タッグマッチ30分1本勝負)

ドラゴン・キッド&横須賀享&CIMA
(タイフーン)

vs

エリック・キャノン&堀口元気&吉野正人
(マッスルアウトローズ)

いきなりメインで来てもおかしくない様なカード構成。
ここしばらく首の怪我で試合が出来なかったCIMAの復帰第一戦でもある。

マッスルアウトローズ側の勢いもスッカリ元通り…Gammaがこのユニットにとって重要なキーマンになっていた証拠だ。

さて、マッスルアウトローズ側にはもとちが今回初見となるちょっと小太りの外人レスラーエリック・キャノンが居て、もとちがこの試合で特に注目したのはこのエリック・キャノン。

もとちが思うにドラゲーで試合をする外人レスラーは皆カンジが良い。(イイヤツ)

このエリック・キャノンもメチャクチャ上手いとか強いとかいうのではないが、試合をソツなくこなし、味方へのフォローや気配りが出来るレスラーのようだ。

ヒールなんだけどイヤミがなくアクションが小気味良い。
他団体などで活動するには徹底的なヒールでアクの強い選手などの方が良いのではないかとも思うが、ドラゲーの起用する外人レスラーは「基本イイヤツ」で良いと考えます。

決まり手は吉野ソル・ナシエンテから始まった切り返し合戦をナンとLOVE横須賀クンが制し、引き出しの多さを見せつけてのピン。

会場がまだヒートアップしていないので、内容のワリにお客さんの反応はイマイチなのが少々残念でしたが、もとち的にはとても良かったです。

◆第二試合(シングルマッチ30分1本勝負)

K-ness

vs

APEキマタ

前々回清水大会で観たのとマッタク同じカード。

内容もまったく同じでその時にも書いたと思うが、 やはり猿のキャラクターでずっと続けて行くのはキッツイと思う。

「仕掛け」のポイントもまったくもって同じなので、正直2度同じカードは観れない。

で、そのまま終わるかと思いきや試合が決まった直後Gammaを先頭にマッスルアウトローズの乱入。

をボコにしている所へ続いてニューハザードが乱入。

結局この試合はこの2ユニットの抗争のダシだった訳だが、何か久しぶりに闘龍門時代からの伝統的(?)なイベント導入シーン(ノリ)がみれてこの乱入は懐かしオモシロかった。

◆第三試合(タッグマッチ30分1本勝負)

YAMATO&サイバー・コング
(ニューハザード)

vs

ホルヘ・リベラ&新井健一郎

個人的に「豊橋大会に来て良かった」嬉しくなった試合。

ホリヘ・リベラメキシコのレスラーで、ドラゲーの選手達のメキシコでのコーチ。
ドラゲーの選手の8~9割がこの方の指導を受けている。

もとちも大好きな「先生」。

そんな方なので、若手に混じって試合をするには結構なおトシ。
その方のカードが組まれているなんて!

しかもパートナーとしては頼りないアラケンと組んで、ニューハザードドラゲ反則サイバー・コングYAMATOを相手に試合をするという、弱い側にさらにハンディがあるようなカードで、思わず「先生が死んじゃう!」心配せずにはいられない。

肝心の試合ですが、やはりもとちには「ルチャ」が性にあっているのだろう。
先生の場面ごとの表情やリアクション、パフーマンスが楽しくてしょうがない。

動きは決して速くはないし、スタミナも多くはない。
教え子達の「一発」の返し技で悶絶する程の大ダメージも受ける
…けれどもその老獪さで魅せるところはキッチリと魅せてくれる。

もとちが熱くなって「先生ガンバレ!」と口火を切る激を飛ばすと、会場から「先生、先生」と応援の声が飛び交う。
サイバー・コング「先生どうした!オラ来いや!」先生を挑発、ラリアットを放っても動じないコング「もう一回!もう一回!」とアピールをして2発3発と放って行く先生。

最後は他選手に放つ時と変わらない豪快なハイアングルボムコング先生をしとめる。
しかしこの遠慮なさはコング先生への最大の敬意にもとちは感じ取れた。

試合後お客さんの盛大な拍手に見送られ、打った頭を抑えながらに「キツかったよ~」笑顔で花道のお客とコミュニケーションをしながら退場して行く姿「プロレスのひとつの形」を見たもとちでした。

先生、末永く壮健で。

◆セミファイナル(タッグマッチ45分1本勝負)

ドン・フジイ&望月成晃

vs

アンソニー・W・森&斎藤了
(タイフーン)

ドラゲーの各ユニットからあぶれた2人のベテランタイフーンの2人の試合。

現在のモッチーフジイさんドラゲー内のポジションとスタンスについて、もとちは凄く団体所属の選手の理想だと考えている。

現時点でのドラゲーは選手層が厚く、各々の選手が適切な場所にキッチリと居て「序列」に比較的ムリがない。
それ故若手は無理して実力以上に背伸びをする必要はないし、ベテランも過剰に身体にムチ打って最前線に居座る必要がない。

プロレス団体はどこも厳しいから、どうしても若手もベテランもムリを強いられることで徐々に「ひずみ」が生まれて結局どうしようもなくなったりするのだが…。

ドラゲーも、モッチーフジイさんといったベテランがいつまでも最前線で頑張っているようではいずれはダメになるだろうもとちは考えるが、現在は一戦を退いた所でプロレスをしているので、これからもこういう形で上手くまわっていけばなぁと切に思う。

この試合ではセコンドに居るCIMAを意識してなのか?フジイさんが普段観ている以上のラフファイトこの日一番のヒールっぷりを発揮していた。

「自発的声援」が少ないと最初の方で書いたが、それだけにこの時死に王子(アンソニー)を応援していた家族連れの女の子の声がひときわ目立って会場に響いていた。

これにモッチーフジイさんがやりにくそうに苦笑い。

試合は一日の長といったところだろうか?ベテラン勢のインサイドワークに翻弄される形でタイフーン側の敗北。

ここでもフジイさんはしきりにCIMA挑発するが、CIMAがコールドスプレーを吹きかけて撃退、リングを転げ落ちて退散するフジイさんモッチーが花道で試合中一生懸命王子を応援していた女の子を指差し、近くまで寄って笑顔で頭をなでてあげていた。

前の試合に引き続きこの試合の中でも「プロレスのひとつの形」の気がする。

◆メインイベント(6人タッグマッチ60分1本勝負)

m.c.KZ.&B×Bハルク&鷹木信悟
(ニューハザード)

vs

神田裕之&土井成樹&Gamma
(マッスルアウトローズ)

何となく結果的には見えているカードではあるが、問われるのは内容と次回に向けた布石なんだろう。

新生マッスルアウトローズプロモーション的意味合いの試合ではあるが、このメンツの中では一番格下となるm.c.KZ.メイン抜擢と頑張りにも注目したい一戦。

まだまだ新人のm.c.KZ.というヒップホップ系キャラの選手の試合は京都大会で見ているが、ワリと好印象を持っていた。

とはいえ、このメンツの中では「チト荷が重いのでは?」という不安もあった。

実際に試合では長時間捕まり、大技を連発されていたが、良く持ちこたえて繋いでいたと思う。
試合後自分の不甲斐なさにうなだれて退場していたが、いやいや、現状であれだけ耐え凌げれば十分だ、将来に期待。

水を得た魚Gammaを得たマッスルアウトローズの勢いは、今個人の選手としては勢いに乗っている鷹木をもってしても止まらない。

神田の加入でM2K時代のブルーボックス粉投げつけのテイストも入り、m.c.KZ.相手ではなく、鷹木を完膚なきまでに叩き潰してこの日はマッスルアウトローズの完勝といっても良いだろう。

試合後さらに暴走するマッスルアウトローズ。

そこにタイフーンのメンバーが乱入して、これまた闘龍門時代から伝統の三つ巴の展開。

ユニットとしての力はマッスルアウトローズ。
選手個々の力はニューハザード。
総合的に上の2ユニットにチョッと劣るタフーン。

こんなところだろうか?
駆け引きのタイフーンと言いたいが、それが出来るのはCIMAだけだからなぁ)

さて、総括。
試合内容自体は激しく凄いものではなかったかも知れません。
しかしながら、

闘龍門~ドラゴンゲートの新旧それぞれの「形」。
「プロレス」と呼ばれるもののさまざまな「形」の一部。

そういったものを観れた興行でありました。

●オマケ

興行が終わったのは20時半過ぎ…

この時間になると豊橋市総合体育館にはバスがありません。

豊橋市総合体育館目的で来ていたマイカー以外の車もまるで通りません。

埋め立て地?の埠頭の近くの施設でお店も殆どなく、電灯のみで長い道路が続いています。

ここぞの時にしか持たない携帯電話をここぞという時に持っていないもとち。

地元のタクシーの電話番号もわかりません。(電話BOXもないの)

電灯だけが煌々と光り、たま~に帰りの車だけが通り過ぎる長い道のりをもとちトボトボトと歩きはじめました。

そして30分以上歩いて、ようやくこれもカナリの離れにポツンと建てられた豊橋市民病院にたどり着きました。

ここでようやくタクシーの電話番号を見つけ、病院の電話BOXで呼びつけました。

静岡の自宅に22時には帰れたハズが、着いたのは0時チョッと前。

次からは豊橋市総合体育館が会場の興行だけは行かないでおきます。

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